今日は病院通いのため、赤ん坊二人をじじばばに預けひとりおでかけ。病院通いは大嫌いだけれど、実はちょっとまんざらでもないのは、ほんとーにささやかなのだが、ひとり静かにコーヒーを飲む時間がとれること。(家族の皆さん、心配をかけているのにすみませんね。)
今日入ったコーヒーショップ某チェーン店は、暗いし天井は低いし、テーブルは区切られていても座ってみれば皆相席、というくらいに狭くて、居心地はまるで良くなかったけれど、ついつい長居をしてしまった。
それは、すぐとなりに座っていた大学生とおぼしきカップルの、今日この後の行く末を、見届けなくては!という悪趣味なおばはん根性からである。お恥ずかしい限り。
私の見立て=インテリ・ウブ・カップル
でも交際はまだかも。合コン後、二人で会って二回目くらい。もしくはサークルの後輩(先輩)を何かにかこつけて誘い出したとか。
男子
多分偏差値の高い大学、場所柄的に東大とか。でも性格良し。勉強が出来る人によく見られるしゃべり方をしている。自分の意見を言ったあとに「うんうん」と自分で相づちしてみたり、なにかちょっと考えてから話す時は実際に腕を組んで考えるポーズをとったりする。地方の進学校出身(すみません聞こえてしまいました)で一人暮らし。おそらく男子校で、一生懸命勉強していたので真剣な男女交際は未経験。
女子
多分有名女子大学に通う育ちのいい娘。お行儀よし。「今日のご飯はハンバーグよ」と朝出がけに告げてくれるお母さんがいる良き家族とともに暮らす。ストレートの黒髪を一つにまとめ、ショートケーキを食べている。そして薄化粧。中高一貫の厳格な女子校出身なのでこれまた男女交際は未経験。
この二人がはじめはお互い敬語を交えながら、男子の方が女子に気を配りつつ少しぎこちなく会話をしていた。男子は女子の機嫌をそこねないように。女子はしたたかに、できるだけ可愛く映るように。
それが突然、女子が、
「とても眠いの…」
と言い出す。
「眠いの…」の声のそれはそれは妖艶だったコト!!たとえばこの男子との会話がひどく退屈で、「眠くなったから帰りたい」の合図だったらとてもあんな声は出せないだろうなあ、といった具合に。
「眠いの…」と言った女子、なんとこの狭いテーブルにひじを伸ばし、ひじの上にあごをつけて顔をのせている!!!おいおい!きっと男子の視点から見れば、ほっておけない子猫のような上目遣い?!
しかし男子は性格良しなので(性格というか人格だな)下心が動いた様子もなく、あわてる様子もなく、しばらくは同じテンションで話し続ける。
そんな男子にヤキモキしたのか、次の作戦に出た女子、本当に目を閉じてしまう!男子くん、そろそろお店を出て誘ってあげなよ!と私の方が気をもんでしまう。
女子の作戦はまだつづく!今さっき目を閉じたはずなのに、「指がなんちゃらかんちゃら」と自分の指をいじりだしたのだ!!くぅー!なんてオーソドックスでかわいい!!
ようやく男子くん、女子の手に手を触れ「どれどれ」と彼女の指を彼の顔に近づける!!!私まで自分の指が気になってきて、確かめたくなる衝動を抑えていると女子はすこーし満ちてきた様子でまた目を閉じる。
すると男子は「よしよし」と目を閉じている女子の黒髪を遠慮がちに、何かの時はジョークで流せるくらいになでたのだ!いいんじゃない?いいんじゃない!!
と思った時に私の携帯が狭いテーブルの上でブルブル。
「○ちゃん(娘)がねだるんだけどおやつにビスコをあげてもいいかね?」と姑。
あらあら、私ったら。子どもたちの顔が暗い天井に浮かんだとたん、なーんてくだらない妄想にどきどきしているんだ私は、情けない。。。とようやく我に返り、
「ビスコのビスケットの部分だけ。もう帰って夕飯の支度をするのでできれば我慢させてください。」と姑に乾いた返事をしてそそくさ席を立ち、背中を丸めて情けなくお店を出た。
外は夕方になろうとしている薄いブルーグレーの空だった。
話は今日書こうと思っていた本筋へ。
昨日向田邦子原作「阿修羅の如く」を見た。ケーブルテレビで放送していたのだ。
「父親の浮気」「仲良し姉妹」「静かにほほえんで耐えている母親」「それでも妻子ある人を愛してしまう自分」など、いつもの定番テーマなのにテレビで放映される毎回見てしまう。"昭和のちょいいいとこの娘さんたち"像を見るのが好きなのだ。質のいい掘り出し物の骨董品を遠くから眺める感じで。年末とかお彼岸とか季節の節目になると放送されるのがなおいい。浮気してたりされてたりする話なのに、結果ほっかりあたたかい気持ちにすらさせられる。
この映画はキャストが凄くて、みなビンゴな役どころなのだけれど、いつもの民放ドラマよりドタバタ劇だけが目について私的にはがっくしだった。
「白菜を漬けるから娘たちみんな実家に集まりなさい」とかの「ザ・向田ドラマ」シーンが、逆にこの映画にはなくてもいいくらいに浮いて見えた。
この映画でも、「女の"ヤキモキ"なんてはたからみれば策略のつもりが幼くて単純」という具合に描かれていた。桃井かおり扮する粋な女房が旦那の浮気相手(大竹しのぶ)の家にやってきておもちゃのピストルを撃ちつけるとかね。
はてさて、ウチのだんなさんは浮気をするだろうか?(しているだろうか??)と、ちょっと考えてみました。
それからカップルさん、赤ん坊からつかの間に解放された主婦の悲しい妄想です。ごめんなさい。